ビックカメラ、そして世界へ。「あしらせ」の進歩がとまらない!ビックカメラ、そして世界へ。「あしらせ」の進歩がとまらない!
視覚障害者のためのナビゲーションデバイス「あしらせ」。
機器を靴につけ、アプリで目的地を伝えることで、足に伝わる振動で目的地まで案内してくれます。
スマートフォンを毎回取り出したり、音声案内に頼りきりにならずに目的地に到着できるのが特徴。
2023年にクラウドファンディングで先行販売を開始し、2024年10月1日から新モデル「あしらせ2(ツー)」が一般販売を開始しました。
その使いごこちは前回の当事者レポートで紹介しましたが、予約販売で初回生産台数300台を突破したそう。とどまるところを知らない勢いです。
オンラインに続いてビックカメラでも取扱い開始
そして、オンラインに続いて11月1日からビックカメラ店舗とビックカメラのオンラインストアでも購入可能になりました。
これまで実物の試着は各地で行われる展示会などでのイベントがメインでしたが、ビックカメラでの展開によって、実物を見たり購入できる機会が増えたことになります。
ビックカメラのなかでもコンタクトレンズ取扱店舗である全国21店舗での取扱いがスタート。ついに電気屋さんでも購入できるようになり、いっそう「あしらせ」の存在が身近になりました。
販売店舗
池袋本店、池袋西口店、有楽町店、赤坂見附駅店、新宿西口店、新宿東口店、渋谷東口店、立川店、JR八王子駅店、ラゾーナ川崎店、新横浜店、藤沢店、柏店、大宮西口そごう店、札幌店、名古屋駅西店、名古屋JRゲートタワー店、なんば店、岡山駅前店、広島駅前店、天神1号館
さらに、東京・お茶の水にある「メガネ・コンタクトの井上 お茶の水本店」でも取扱いを開始したそう。詳細はあしらせホームページにて。
あしらせ、パリでも
今年のパリで開催されたパラリンピックではパリASICS House内に体験ブースを構えていたのが記憶に新しいですが、このとき現地で100人ほどに新モデルを体験してもらったそう。
現地でのヒアリングで得た課題感や手ごたえをもとに、さらなる目標へと進んでいるといいます。
そして世界へ!
さかのぼること約1か月前。東京・青山にあるHondaの本社での発表会では、あしらせ代表の千野さんから「2025年の夏を目標に海外販売開始を目指す」との発表もありました。
まずは日本と歩行環境などが似ている欧州のうち、イギリス、スペインでの販売を視野に入れているとのこと。
「日本の都心は高層ビルが多くGPSを拾いづらいといわれている。この都心エリアで使えるあしらせは、欧州でも価値を発揮できる可能性が高い」と千野さん。
今後はさらに、視覚障害をもつ当事者の買い物の課題、旅行、就業、引越しなどクロスセルの事業を発展していきたいという希望についても語っていました。
あしらせを通して、視覚障害者が社会のなかに自然と溶け込んでいる姿が実現する日が待ち遠しいですね。
フォトセッションで、クロックポジション
ここでの発表もすばらしかったのですが、驚いたのは発表会終盤でのフォトセッションでのこと。
このときはあしらせの千野さんと視覚障害当事者でパラリンピック柔道銀メダリストの半谷静香(はんがい しずか)選手がフォトセッションに臨んでいました。
通常の記者会見では被写体になる人物のまわりを記者がずらりと囲み「こちらにお願いします」と手を挙げたりして目線をもらったりします。
しかしこのときは、会場にいる記者から自然と「声がする方向にお願いします」「11時の方向にお願いします」という声が聞こえて驚きました。
「11時の方向」というのは、対象となるものや人などの位置関係を時計の針の位置にたとえて伝える方法で、クロックポジションと呼ばれています。
わたしもこれまであらゆるジャンルの記者会見を10年以上見たり聞いたり実施したりしてきましたが、記者からクロックポジションが自然と出てくるフォトセッションは初めてでした。
とてもあたたかい記者会見で、ほっこりした気持ちをおみやげに会場をあとにしました。
あしらせの今後の展開に、ますます目が離せません。
あしらせホームページURLは以下から
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