値上げの夏 8月の食品値上げは642品目値上げの夏 8月の食品値上げは642品目
民間信用調査会社の帝国データバンクがこのほど食品メーカー195社を対象に実施した価格改定動向調査によりますと、8月の値上げは642品目(ひんもく)にのぼることがわかりました。
8月の値上げは猛暑や干ばつなど天候不順による不作の影響を受けた「加工食品」がもっとも多く、 319品目(ひんもく)にも達しました。
輸入小麦で輸送費の上昇などを背景に、大手各社で乾麺やソースといった「パスタ製品」で一斉に値上げする動きがあったほか、家庭用ミックス粉など「原材料」の値上げも目立ちました。
また、「菓子」は128品目(ひんもく)にものぼりました。
なかでも原料となるカカオ豆の価格高騰を背景に、「チョコレート」を使用する幅広い食品で大幅に価格を値上げする動きが相次ぎました。
ただ、8月単月(たんげつ)の平均値上げ率は12%と、今年に入ってからは最も低い水準だったとしています。
10月の値上げは2000品目
値上げの大きな要因とされるのが「原材料高」です。
2024年1月から11月に予定される値上げ品目のうち、「物流費」が要因となっている値上げは品目数ベースで92.4%を占めています。
特に春以降の値上げで原材料高の影響が広がっています。
さらに、追い打ちをかけているのが「物流費」の上昇です。
「物流費」が要因となっている値上げは品目数ベースで68.2%にも達しています。
また、急激に進んだ円安ドル高による輸入コスト増も値上げにつながっています。
「円安」を要因とする値上げは品目数ベースで30.2%にも上っています。
今後について、10月の食品値上げ予定品目数(すう)が今年4月以来となる2000品目(ひんもく)台に乗せると見ています。
資材価格の高騰が続くビール類や日本酒(しゅ)など酒類製品で値上げが実施されることになれば、「値上げは昨年10月並みとなる4000品目(ひんもく)前後に到達する可能性がある」と予想しています。
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