障がいをもつ仲間を想ってはじめた、みんなにとっていいシステム。「バターのいとこ」の舞台裏しょうがい をもつ仲間を想ってはじめた、みんなにとっていいシステム。「バターのいとこ」の舞台裏
2018年に登場し、今では完売することも多い、栃木県・那須のご当地スイーツ「バターのいとこ」。
酪農家がバターをつくる過程で大量に生まれるスキムミルクからつくったジャムを、しっとりしたゴーフレット生地(きじ)でサンドした新感覚スイーツです。しかしこのスイーツ、じつは生産者、観光客、地元を笑顔にする商品でもあることはまだあまり知られていないかもしれません。
おいしくて、かわいいだけじゃない。今回は「バターのいとこ」を支える舞台裏をお届けします。
ところで、バターのいとこを生産している工場ではたくさんの障がい(しょうがい)を持つ人たちが活躍しているのをご存じでしょうか。今回はGOOD NEWS PARTNERSで就労支援を担当されている小宅泰恵(おやけやすえ)さんにお話を伺いました。
手売りからスタート
小宅(おやけ)さん:「バターのいとこ」も今となっては工場で生産していますが、はじめは黒磯にあるChus(チャウス)にある出入口の小屋のような狭いところで、一枚一枚を手で焼いて手売りしていました。当初は作りながら販売もやっている状態でしたね。
そんな「バターのいとこ」が事業化したのは2018年。工場ができたときからA型事業所として障がい者雇用(しょうがいしゃこよう)をおこなっています。まずは2名を採用したところからはじまり、現在は約300人いる工場の従業員全体の約1割まで増えました。
本人が得意なことを仕事に
小宅(おやけ)さん:障がい者雇用(しょうがいしゃこよう)を考えるとき「仕事をつくることが難しい」といわれることがあります。工場での作業を分解し、そのなかから仕事を切り出す方法が一般的のようです。
当社の場合、適性も踏まえたうえでご本人の得意なことをまず先にこまかく聞き「こういう仕事が欲しい」と社内にリクエストする方法をとっています。
きっとこれは障がい(しょうがい)に限らず誰にでも当てはまると思いますが、特性は人それぞれです。得意なことや不得意なことも異なるのでこの方法を採用しています。
A型事業所向けにおこなっていたことを応用
小宅(おやけ)さん:先ほどの例のほかにも、A型事業所向けにおこなっていたことがほかの従業員の働きやすさにつながった例がいくつかあります。
1分単位の勤怠システムは今や那須の製造全体に適用
工場という特性と、A型事業所ということもあり1分単位で勤怠をつけています。当初はA型事業所向けにおこなっていましたが、あるとき工場勤務のほかの従業員にも適応してみたところ、大好評でした。
というのも、工場には小さな子どもがいるご家庭のママさんでもある従業員も多く、この仕組みは“子どもが幼稚園や保育園に行っている時間を活用して働きたい”というニーズとマッチしたようです。最終的には製造全体に適用されました。
みんながわかりやすいものを
また、A型事業所向けにつくった動画マニュアルや製造で使用する材料を機械に入れる順番がわかるように、袋ごとに色分けするといった、理解しやすいかたちに落とし込むこともパートさんや技能実習生に好評です。
わが子のように見守る空気感
働きかたを考えていったらコミュニケーションが生まれた
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