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長引く「円安」、企業経営に打撃

1ドル紙幣と千円札の写真です

長引く円安が企業経営に深刻な影響を与えています。

3月に開催された日本の金融政策を決める日本銀行の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除が決定されました。

それ以降、円安傾向に拍車がかかり、4月末には一時、1ドル=160円台に乗せました。このため、政府・日銀は4月から5月にかけて9兆7800億円を超える為替介入に踏み切りました。

しかし、6月になってもその勢いはとどまらず、円安トレンドに歯止めがかかる兆しは一向に見えていません。

 

内需型産業を中心に影響

 

信用情報サービスを提供する東京商工リサーチがこのほど5174社を対象に為替水準に関するアンケート調査を実施しました。

足元の円安水準が経営に与える影響について聞いてみたところ、「マイナス」と回答した企業の割合は54.4%と半数を超えました。

「マイナス」と回答した企業規模の内訳は中小企業が55.0%、大企業が49.5%になりました。

内需型産業を中心に円安による影響が深刻化しているようです。

なかでも、百貨店や総合スーパーマーケットなどの業種では「マイナス」との回答率が100%に達しました。

その一方で、水運業の三割は「プラス」と回答するなど、円安メリットを享受する業種もあります。

 

希望する為替レートは

 

同調査では企業が希望する為替レートについて聞いてみると、その中央値(ちゅうおうち)は「1ドル=125円」となりました。

希望する為替レートと現在の水準とは30円以上の乖離があります。

気になる今後の為替動向についてですが、カギを握るのは米国の金利動向になります。

市場関係者の間では「米国の利下げ開始が本格的に視野に入る段階まで、円安局面は続く」との見方が広がっています。

ただ、米連邦準備制度理事会が6月に開催した米連邦公開市場委員会(べいれんぽうこうかいしじょういいんかい)では、年内の利下げ回数の見通しが前回の3回から1回に引き下げられました。

むしろ米国の利下げは遠のいているように見えるため、円安トレンドはしばらく続きそうです。

 

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