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エーアイスーツケース、2025年の大阪・関西万博で実証実験を実施

エーアイスーツケースの万博特別モデルのイメージ画像。みためはこれまでの屋内用のエーアイスーツケースとほぼかわりませんが、スーツケース本体にしろじに赤や青の大小さまざまな大きさの水玉模様があしらわれており、カジュアルなイメージのみためとなっています

一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアム(じせだいいどうしえんぎじゅつかいはつコンソーシアム:以下、コンソーシアム)は、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)の会場内で、視覚障害者向けナビゲーションロボット「AIスーツケース(エーアイスーツケース)」の実証実験に取り組むことを発表しました。

日本科学未来館(にっぽんかがくみらいかん:以下、未来館)が中心となり開発を進める特別モデルの同スーツケースを、コンソーシアムが長期間、複数台同時に運用する計画で、社会実装に向けた運用モデルの技術的な課題を洗い出すなど検証を行う予定だそう。具体的な運用期間やエリアなどの詳細は、現在調整中とのこと。

 

AIスーツケース(エーアイスーツケース)って?

視覚に障害のある人を目的地まで自動で誘導することを目的に開発されているスーツケース型ロボット。これまで、コンソーシアムと未来館が相互に技術協力を行うことで、大型ショッピングモールや新千歳空港、未来館などの屋内施設や、未来館から最寄り駅までの屋外空間などで、一般ユーザーによるナビゲーション技術の実証実験がおこなわれました。

 

2023年の3月にアメリカで行われた世界最大級のアクセシビリティ関連のカンファレンス、シーサンの会場となったマリオットホテルないでのエーアイスーツケースの実証実験の様子。女性が屋内用エーアイスーツケースに誘導されて、ホテルの廊下をあるいています。なお、床はカーペットのようになっており、当然ながら点字ブロックなどはありません
アメリカで行われたCSUN(シーサン)会場内での実証実験の様子。2023年3月撮影

 

2024年4月からは、未来館で定常的(ていじょうてき)に試験運用をスタートしています。

より多くの実証データを蓄積することで、人混みでの誘導や障害物の回避などのナビゲーション技術のさらなる向上に取り組んでいます。

 

屋内用エーアイスーツケースに誘導されて、未来館のエレベーターに乗っている男性の手元の写真
未来館での試験運用の様子。2024年5月撮影

 

屋内外共通利用型の万博特別モデルを開発

大阪・関西万博では、「未来社会ショーケース事業」の「スマートモビリティ万博」領域において、会場内で次世代の様々なロボットを実装・実証する「ロボットエクスぺリエンス」の展開が計画されており、同スーツケースが採用されました。

段差の乗り越え機能を強化した新車輪機構や、低い位置の障害物も認識するセンサーを新たに追加するなど、改良を重ねた屋内外(おくないがい)共通利用型の万博特別モデルを未来館が中心となり開発し、コンソーシアムが実証に用いる計画とのこと。

 

エーアイスーツケースをかたてに万博をたのしむひとたちをえがいたイラスト。視覚障害のひとのほかに、くるまいすの人などもえがかれています
AIスーツケース(エーアイスーツケース)利用イメージ

 

これまでの実証実験では利用場所が屋内か屋外かでスーツケースの仕様が異なっていました。もしかして共通利用型のお披露目は初めてなのではないでしょうか。

万博特別モデルの画像をよく見ると、これまでの屋外用ではキャスターが車輪のように大きいものの、今回は前輪のキャスターがかなり小型化されているように見受けられます。

 

屋外用エーアイスーツケースに誘導されながら、未来館の外を歩く女性の写真
屋外用のAIスーツケース(エーアイスーツケース)。2023年9月撮影。キャスターがタイヤのようになっています

 

どのような動きかたをするのか、屋内外の気温差やこれまでの比にならないくらいの人の多さをどのようにクリアするのか、今から楽しみですね。

 

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