得意の「箔押し」でバージョンアップしたバリアフリーカレンダー。浮き出し文字にかける想いとは(上)得意の「箔押し」でバージョンアップしたバリアフリーカレンダー。浮き出し文字にかける想いとは(じょう)
しんびどう手塚はくおしじょが制作する、文字に触ることで暦を読むことができる「バリアフリーカレンダー」は発売から10年目を迎え、同社が最も得意とする「箔押し」でさらにバージョンアップします。
なぜバリアフリーカレンダーを制作することになったのか、同社で企画・制作をしている手塚 たかつぐさんにお話しを伺ってきました。
以前掲載したバリアフリーカレンダーの記事は以下URLから
https://www.thousands-miles.com/trend/7049/
箔押しの機械で点字もできるように改良
しんびどう手塚はくおしじょは昭和32年に新宿区天神町で創業した町こうばです。熱と圧力によって書籍の表紙などに艶やかさをプラスする「箔押し」と呼ばれる印刷加工を専門としています。
神楽坂駅から少し歩いたところにある工場には、所せましと大きな機械が3台並んでいました。どれも箔押しをする機械ですが、そのうち1台は約20年前に点字印刷もできるよう改良されています。
一般的な点字機は紙を送りながら点字を打っていく方法ですが、箔押しの機械を改良するため仕組みが異なります。手塚さんによると「当時は点字についての知識も、頼るあても無かったため、父である、しんびどうの社長・手塚博雄が点字印刷機に詳しい日本点字図書館へ足を運び、試作を何度か繰り返し、アドバイスをもらいながら完成させた」という。
浮き出し文字 誕生のきっかけ
点字印刷が可能になり視覚障害の人と話す機会も増えたことで、手塚さんはある重要なことに気づきました。それは「視覚障害の人でも点字を読めるのはごくわずかである」ということ。
視覚障害のある人が約31万人いるなかで、点字が読める人はわずか1割程度といわれています。「加齢や病気により、中途で視覚障害になる人がとても多い。そういう人があらたに点字を習得するのは難しく、生活するなかでとても困っているという声をきいた」と手塚さん。
そこで今まで見てきた活字を立体的にできないかと考えたという。「ひらがなやカタカナ、数字を浮き出したほうが、点字を1から覚えるよりも頭の中でイメージがつきやすいと思った」と当時を振り返りました。これが浮き出し文字の誕生に繋がっていきます。
続きは明日公開します
「バリアフリーカレンダー2024」の詳細は以下URLから
http://sinbido.co.jp/news/2098
本文ここまで