エアコンを活用しながら上手に節電 その方法とは…エアコンを活用しながら上手に節電 その方法とは…
大手電力7社の電気代の値上げを受け、日本全体に節電ムードが覆っています。
空調機器大手のダイキン工業がこのほどまとめた調査によると、7割を超える人が「エアコンを使用することにためらいを感じている」ことが分かりました。
さらに、今年の夏はエアコンの使用そのものを控えようと思っている人が6割に達したことも明らかになりました。電気代の値上げで、この夏はエアコンの使用を控える動きが予想されています。
夏のピーク時間帯に家庭の電力消費の約6割を占めるとされるのがエアコンです。ただ、厳しい暑さの中、節電のために無理に使用を控えると、熱中症を引き起こすリスクも考えられます。このため、節電をしながらも暑さ対策として、エアコンを上手く活用することが重要となります。
そこで家庭で手軽に取り組めるエアコンの上手な使い方や節電のヒントなどを紹介します。
フィルターの掃除
エアコンの節電対策の効果が大きいものとして、真っ先に思い浮かぶのは「フィルターの掃除」です。ダイキン工業によると、フィルターを1年間掃除しないと、約25%も電気代が上昇する可能性があるとしています。
エアコンの冷房運転は、室内機が部屋の中の空気を吸い込み、室内機の中で冷やしてから戻すことで室温をコントロールします。室内機の中にあるフィルターは、室内機が取り込む空気の中に漂うホコリを防ぐ役割をしています。
フィルターにホコリが堆積すると、室内機をとおって冷やされる空気の量が減り、室温が設定温度に到達するまでに時間がかかります。その分、無駄な電力消費につながります。
ダイキン工業では「2週間に1回の頻度でフィルターを掃除すると効果が大きい」とこまめな清掃を奨励しています。
しつがいき周辺の空気の流れを確保
しつがいき周辺の空気の流れを確保し、高温になることを避けましょう。しつがいきの吸い込み口や吹き出し口がふさがれると、エアコンに負荷がかかります。エアコンの運転効率が下がると、消費電力が上昇し、電気代もかさむことになります。しつがいきにカバーをかけたり、周辺に荷物を置いたりするのはご法度です。
また、しつがいきしゅうへんが高温になった場合も、エアコンの運転効率が下がります。夏場の直射日光でしつがいきの周辺が高温になった場合は、日影が作れて風通しも良い「よしず」などを、しつがいきから1メートルほど離れたところに立てかけることも効果的です。
帰宅後は、まず部屋の換気を
外出先から戻ってきて、すぐにエアコンをつけるのではなく、まずは窓を開けて換気をしましょう。熱気を部屋の外に逃がしてからエアコンをつけると無駄な電気を使わずに、効率的に部屋を冷やすことができます。
窓を開けて換気をする際、窓は1カ所だけでなく、2カ所の窓を開けると空気の通り道ができて効率的に熱を外に出すことができます。近くにある窓ふたつよりも、対角線の上に位置する窓を開けると、より効率的です。
“空気ムラ”を抑える
夏場の室内では、天井付近と床付近の空気の温度に差が生じる「温度ムラ」が起こりやすくなっています。冷房運転時に温度ムラができていると、エアコンが「室内はまだ設定温度に達していない」と判断し、人がいる床付近は十分涼しくなっていても、必要以上に運転してしまうことがあります。
エアコンへの負荷が上がり、消費電力の増加につながります。エアコンの風の向きを水平にしたり、扇風機やサーキュレーターなどを使って室内の空気を撹拌し、温度ムラを抑えると効果的です。
エアコンのふうりょうは「自動」に設定
ふうりょうを弱めるとファンの回転音が静かで節電になるイメージがあります。
しかし、室内が設定温度に到達するまでに時間がかかり、その分、無駄な電気代がかかってしまうこともあるよう。「自動」にしておくのが効率的です。
短時間の外出なら「つけっぱなし」も
30分程度の外出や、定期的な窓あけ換気時にはエアコンは「つけっぱなし」が効率的です。エアコンは運転を開始した直後など、設定温度をめざして室温を大きく変化させているときに多くの電力を消費します。
反対に、設定温度に到達した後、室温を維持するための電力は少なめとなります。エアコンのスイッチをこまめに切ったり、つけたりすると、室温を大きく変化させるタイミングが増えます。その分、エアコンに負荷がかかり、消費電力も増加します。30分程度ならばスイッチを切るよりも、つけっぱなしにしておいた方が消費電力を抑えられます。
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