食品の値上げ、家計にずしり。4月から月2000円超もアップ食品の値上げ。家計にずしり。4月からつき2000円をこえるアップ
食品の「値上げ」が続いています。4月から新年度に入りましたが、家計への負担は前年度に続き“重み”を増していきそうです。
民間調査会社の帝国データバンクによると、食品の値上げが一般家庭の家計に直撃し、食費の負担は4月から月あたり約2000円も増加すると試算しています。
同社は今後、値上げ品目はさらに増えると見ており、家計における食費の負担は「年の後半にかけてさらに重くなる可能性が高い」と分析しています。
年間2万6000円の負担増
同社は国内の主要な食品や飲料メーカー195社が4月以降に値上げする食品約きゅうせんひんもくの値上げデータと、総務省の「家計調査」における2人以上世帯の2021年度消費支出データをもとに、生鮮食品を除く食品の値上げによる家計支出額の影響について試算しました。
その結果、2023年度における1世帯あたり家計への食費負担額は、節約などの値上げ対策をしない場合、22年度の月平均から1カ月当たり約2140円、年間では約2万6000円増加することが分かりました。
年間の消費支出額(21年度は平均330万円)のうち約1%が、食品の値上げによって圧迫される可能性があるとしています。
「酒類・飲料」で缶チューハイ4本分の負担増
家計負担額を食品分野別にみると、前年度と比べて最も負担額が増加したのは「加工食品」です。負担の増加は月723円となりました。
「酒類・飲料」では月498円の負担増となり、1世帯あたり350ミリリットル入りの缶チューハイ(約120円)4本分相当の負担が増える可能性があると試算しています。
もっとも、酒類・飲料ではウイスキーやワイン、缶コーヒーなど嗜好性の高い分野での値上げが目立っており、昨年10月の缶ビール類の一斉値上げに比べると影響度は小さくなっています。
月300円の負担増となる「乳製品」は、購入頻度の高いパック牛乳などが値上げの対象となります。このため、全食品分野のうち、うえから3番目に負担が重くなる品目となりました。
今後も、飼料価格高騰などを背景にせいにゅうとりひきかかくがさらに引き上げられる可能性があり、「乳製品」の価格が落ち着きを取り戻すにはなお時間がかかりそうです。同社は「負担額は年度末にかけてさらに増加する可能性がある」とみています。
さらに、「これまでのコスト増加分に加え、鶏卵価格や電気代といった新たなコスト高に対応する価格転嫁も想定されるなか、23年通年では累計にまんひんもくを超える食品の値上げが確実」と予想しています。
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