耳をふさがなくても利用者だけが聞こえる“究極”のイヤホン技術が誕生耳をふさがなくても利用者だけが聞こえる究極のイヤホン技術が誕生
通信大手のNTTはこのほど耳をふさがなくても利用者だけが聞こえるイヤホンの新技術を開発しました。新技術はオープンイヤー型と呼ばれる耳にさしこまないタイプにもかかわらず、おともれを低減しているため、快適に音楽などを楽しみながら周囲の人とコミュニケーションをとることができるといいます。
同社は「引き続き究極のプライベート音響空間の実現に向けた研究開発を進め、航空機や自動車の座席、オフィスなど様々な場所での応用を検討していく」と意欲を燃やしています。
メリットを両立、デメリットを補い合う技術
イヤホンの先端に耳栓に似た形状の「イヤーピース」が付いたカナルタイプなどの密閉度の高いイヤホンやヘッドホンは、外部からのおとを遮断してしまうため、周囲のおとが聞こえず呼びかけや車両の接近に気づきづらくなるという課題があります。
また、首にかけるタイプの「ネックスピーカー」や、外耳や中耳を通さないこつでんどうを利用しておとを届ける「こつでんどうイヤホン」のようなオープンイヤー型イヤホンは、周囲へのおともれ不安が使用時のネックとなっています。
そこで、同社は密閉型とオープンイヤー型のメリットを両立しながら、デメリットを補い合うようなおんもれが少ないオープンイヤー型イヤホンの新技術を開発することにしました。
離れた位置では図書館の静けさ
スピーカーを覆うきょうたいの側面位置に複数の穴を適切に開けることで、単一のスピーカーのみでおとを耳元から近い部分の局所的な空間にとどめる技術を開発しました。
新技術はスピーカーの前面から放射したせいそうの音波が耳に届いた際に発生する耳で反射したおともれにつながる音波を、スピーカーを覆うきょうたいの側面の穴から放射したぎゃくそうの音波で抑圧することで、耳元から離れるとおともれが非常に小さくなったとしています。
新技術を用いたオープンイヤー型イヤホンの耳元の騒音レベルと15cm離れた位置に置いたおともれ測定マイクの騒音レベルを比べると、耳元では80でしべるを観測しながらも15cm離れたおともれ測定マイクでは43でしべるとなり、おともれを大幅に低減したとしています。これを日常の周囲の音の騒音レベルと比較すると、耳元では通常イヤホンで音楽を再生する程度の大きさで聞こえていながら15cm離れた位置では図書館の静けさと同等になっていると説明しています。
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