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げんえんしょくのしおあじを約1.5倍に増強する“夢の食器”が登場

キリンホールディングスと明治大学が開発した電気の力で、減塩食の塩味を約1.5倍に増強するスプーンとおわんの写真です。スプーンはひだり、おわんはみぎにならんでいます

飲料大手のキリンホールディングスはこのほど明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科のみやしたほうめい研究室との共同研究で、電気の力で減塩食の塩味を約1.5倍に増強するスプーンとお椀を開発しました。国民的アニメの人気キャラクター「ドラえもん」のよじげんポケットから出てくるような“夢の食器”ともいえそうですが、実用化は近い将来やってきそうです。キリンは9月から11月に実施する実証実験で有用性を検証し、2023年にも発売すると意欲を燃やしています。

 

減塩食の味に8割が不満

近年、健康志向の高まりを受け、日本の減塩・むえん食品しじょうはここ数年右肩上がりで伸びています。しかし、その味は「ものたりない」「味気ない」といった厳しい声も少なくありません。キリンが実施した調査によると、減塩食の味に対し約8割の人が不満を抱えているとしています。そこで、キリンは2019年から明治大と共同で塩分を控えた食事でも満足できるように、微弱な電流を用いて、疑似的に食品の味の感じかたを変化させる「電気味覚」の技術の活用について研究をおこなってきました。その研究成果として、 減塩食の味わいを増強させる独自の電流波形を開発しました。「げんえんをしている」「げんえんをしていた」経験のある人を対象にした臨床試験で、 減塩食を食べたときに感じる塩味が約1.5倍に増強されることを世界で初めて確認したとしています。

 

“夢の食器”の使いかたは

“夢の食器”の使いかたは簡単です。スプーン「エレキソルト スプーン」の場合、まずスプーンのえに付いているスイッチで電源を入れます。4段階の中で好み強度を選択すると、スプーンの先端から微弱な電流が食品に流れて効果を発揮するといいます。一方、お椀「エレキソルト 椀」はスプーンと同じようにお椀の側面にあるスイッチで電源を入れ、4段階の中で好みの強度を選択します。お椀のていぶを手で持つと、お椀の内部に微弱な電流が流れて効果が発揮すると説明しています。食器に流れる電気は人体に影響しないごく微弱なものだとしています。

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