このサイトはテキストサイズとハイケイショクを選ぶことができます。

また、クッキーを使用して設定を一定期間、保存しています。

拒否した場合は、設定が保存されません。

設定はパソコンの場合はページはじめに変更メニューがあります。

スマートフォンの場合はメニューボタンから変更できます。

NTT、eスポーツの試合結果を事前に予測 脳波データなどの活用で

格闘ゲームを専用コントローラーを使って楽しむ男性の手元の写真です

 

情報通信大手のNTTはこのほどeスポーツ対戦直前の脳波に勝敗と強く関わるパターンの存在があることを発見し、この脳波データから直後の試合結果を高精度に予測することに成功しました。

「実力が拮抗した試合」や「番くるわせ」を約80%の精度で予測することができるとしています。

競技直前の脳に最適な状態が存在することを示すとともに、競技パフォーマンスの予測に脳情報が有効であることを示していると分析しています。

同社は「将来的にはスポーツや医療、教育などさまざまな現場で活躍する人々の脳状態の最適化によるパフォーマンス向上や、熟練者の高度なスキルを生み出す脳状態のデジタル化によるスキル伝承の実現に向けた大きな成果になる」と期待しています。

 

試合結果の事前予測は困難

 

NTTコミュニケーション科学基礎研究所ではすべての人が自分の能力を最大限に引き出せる社会を目指し、心と体(からだ)を調整する脳の仕組みを研究しています。

今回の研究はその一環としています。

アスリートは本番の強いプレッシャーの中で最高のパフォーマンスを発揮することを目指し、「メンタル」と呼ばれる本番に臨む状態を最適に調節しているものと考えられています。アスリートが本番にのぞむ際の脳状態はメンタルと強く関連していると考えられ、これまでもいくつかの競技で脳状態と瞬間的なパフォーマンスとの関係(かんけい)は調べられてきました。しかし、実戦中の計測の困難さもあり、対戦競技の勝敗と関係する脳状態は見出されていませんでした。

また、近年はスポーツアナリティクス技術の進展に伴い、競技の勝敗予測をする技術は進んでおり、過去の競技成績に基づいた試合結果の予測精度は飛躍的に向上しています。

しかし、「実力が拮抗した試合」や「番くるわせ」といった不確定要素の多い試合結果を事前に予測することは難しかった。

 

“格ゲー”が対象に

 

今回の研究では身体運動機能の違いよりもメンタルゲームの側面が強く、脳計測に適しているeスポーツの格闘ゲームを対象に、試合中の選手の脳状態を脳波計測で観測しました。

これにより、アスリートが試合にのぞむ際の理想的な精神状態がどのような脳波パターンから生じるのかを調査しました。

そして、対戦直前のプレイヤーの脳波データに存在する勝敗と強く関連するパターンを特定しました。

これにより脳波データから試合結果を約80%の精度で予測することが可能となり、従来の予測技術では難しい「実力が拮抗した試合結果」や「番くるわせ」といった試合展開も予測できる可能性が示されたとしています。

今回の研究について、同社は「勝負(しょうぶ)事にのぞむ際の理想的な脳状態の存在を示しており、人々が様々なシーンでプレッシャーに対処するための重要なヒントをあたえている。われわれは、スポーツ、医療、教育現場など様々なシーンで生体情報に基づいたメンタルコンディショニングを実現することで、人々のウェルビーイングの向上(こうじょう)を目指す」と意欲を燃やしています。

 

 

本文ここまで

記事一覧

TOPに戻る