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“孤独”を感じると、よくうつ症状が高まる

机にふさぎこむ女性の写真です

筑波大学と弘前大学、東洋学園大学の研究グループがこのほど実施した共同研究で、社会的孤立を自覚し、孤独を感じると、抑うつ(よくうつ)症状が高まることが分かりました。
「人とのつながりが少ない」状態となる社会的孤立と、主観的に感じる否定的な感情の孤独感は、いずれも心身に悪影響をおよぼすとされています。
その一方で、社会的孤立の状態であっても、孤独を感じずに健康に過ごすことができる人もいます。
しかし、これまでの研究では社会的孤立や孤独感がどのようなプロセスを経てメンタルヘルスに影響するのかについて、総合的な検討はほとんど行われていませんでした。
そこで今回の共同研究で検証することにしました。

 

ポイントは“客観的”か“主観的”か

今回の研究は約3300人の男女を対象に人とのつながりの程度を表す社会的ネットワークや孤独感などについて調査し、これらが抑うつ(よくうつ)症状に影響をおよぼすプロセスについて検討しました。
この結果、社会的に孤立している客観的な状態は社会的孤立の認知、孤独感や抑うつ(よくうつ)症状とほとんど関連がなく、社会的に孤立していると主観的に感じ、孤独感を持つことが抑うつ(よくうつ)症状と関連することを見いだしました。
さらに、社会的に孤立していると自身が認知し、そこに孤独を感じることによって、抑うつ(よくうつ)症状はさらに高まることも分かりました。

 

性別は関係なし

男女別に解析した場合にも、同様の結果が得られたとしています。
このため、性別に関係なく、自身で社会的に孤立していると感じることや孤独感を持つことが、抑うつ(よくうつ)症状と関連すると考えられるとしています。
客観的に社会的に孤立した状態であっても、必ずしも不健康につながるわけではなく、むしろ、社会的孤立の状態について、当人がどのように感じているかに着目することが重要になるとしています。
社会的孤立の状態にある人々への支援において、人とのつながりを増やすだけでなく、個人の認識や考え、感情にも焦点を当てる必要があると指摘しています。
研究グループは今回の研究結果について、「社会的孤立や孤独感を予防するための新たな方略の開発につながる」と期待しています。

 

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