寝違え、眼精疲労…それってもしかして。知らないと損する、首コリ対処法寝違え、眼精疲労…それってもしかして。知らないと損する、首コリ対処法
首コリに悩む人、多いのではないでしょうか。日々のスマホやPC操作により、目や肩だけでなく首にも負担がかかっています。肩コリだと思ったら、じつは首コリが原因だった、ということも。
今回はそんな首コリについて、ご自身も中途の視覚障害をお持ちで、アスリートのメディカルトレーナーや専属セラピスト、BFR(加圧)トレーナーを務めるマッサージ師の白鳥環(しらとりたまき)さんに対処法を伺いました。
首ってどんな部位?
まず、首という部位についてお話します。首のなかには脳につながる動脈、脳からでてくる静脈、リンパ、脳神経、声帯、甲状腺、副甲状腺、頚椎があり、自律神経を支配している場所です。人間の生命活動の中枢を支配している、といっても過言ではありません。首は、からだ全体のなかでも、命にかかわる危険性もある特に重要な部位です。
ここまででお分かりいただけるように、首が痛いからといって自己判断は危険です。今回は比較的軽度の場合の首コリ対処法をお伝えしますが、痛みが強い場合などは病院等の専門機関を頼るようにしてください。
よくある「寝違え」
朝起きると首が痛い…、これを読んでいる人の多くが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。ずばり言いますが、これは肩甲骨(けんこうこつ)と首のラインの筋肉の質がよくないということ。
意外に思われるかもしれませんが、普段から姿勢が悪い人は寝違えも多い傾向にありますので、姿勢をよくすることも寝違え防止につながります。また、たまに「首を鍛えればよいのでは?」と考えるかたもいらっしゃいますが、鍛えたからといって痛みがなくなるわけではありません。
これを読んでいるあなたの今の姿勢、猫背になっていたりしませんか? ドキッとした人は、ぜひ背筋を伸ばしてみてください。
寝違えの場合は、筋肉が急激に伸ばされることが原因で起きていることが考えられるので、熱や腫れがない限りは、ホットパックなどであたためてみてください。冬場の寒さで冷えて筋肉が固まることで起こることが多いです。
寝違えは時間がたてばよくなる場合もありますが、痛みが強かったり、長く続く場合は迷わず専門機関を受診しましょう。
首コリからくる「眼精疲労」には、あたためることとストレッチを
「首コリ」に悩む人で、眼精疲労や頭痛の症状のある患者さんは多いです。そして「首コリ」というと首の後ろ側を想像しがちですが、ポイントは顔がある前のほうにあります。
血液の流れが悪いことが原因となっている場合もあるので、あたためたり、ストレッチをすることで血液の流れをよくすることも効果的です。間違えてもペンなどで物理的に患部を押したりしないように。
ドラッグストアなどで購入できる、あたたかくなるアイマスクなどで目の表層をあたためると、血管や目の周りの横紋筋(おうもんきん)・平滑筋(へいかつきん)がゆるむことにより血液の流れがよくなるので、短い時間の対処としては効果的です。入浴するときあまり長時間にならない程度で、湯船につかるのも良いですね。
首コリに効果的なストレッチ
ここからは首コリに効果的な3つのストレッチを紹介します。はじめに紹介するふたつは、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)のストレッチ、もうひとつが全身のストレッチです。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、横を向いたときに鎖骨の中央から、耳たぶのうらあたりにかけてタテにななめに浮き出てくる筋肉のこと。たとえば首だけ右を向いたときに、左側の鎖骨の中央から、耳たぶのうらあたりにかけてタテに浮き出てくる筋肉です。顎をぐっと引いたり、歯ぎしりをするとこの部位が緊張します。
ストレッチその1:首を横に伸ばしておこなうストレッチ
ひとつめのストレッチは、両手を使って片方の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)を伸ばすストレッチです。左側を伸ばす場合、
①左手で鎖骨の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)を肩があがらないように抑える。
②右手を頭のうしろから左耳のウラへ回す。
③そのまま左耳たぶのウラのあたりにある骨、乳様突起(にゅうようとっき)を右手で押さえる。
④首(くび)を右後ろにかしげて伸ばしましょう。
両手で片側の胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)を引っ張って伸ばすようなイメージです。気持ちいいと思う範囲で、10秒から15秒くらいかけてゆっくり伸ばし、ゆっくり戻すことを意識しましょう。これを左右両方おこないます。
ストレッチその2:首をうしろに倒しておこなうストレッチ
もうひとつは、さきほど紹介したストレッチより手軽におこなえるものです。両手を両方の鎖骨のあたりにおき、そのまま顎を前に出したまま、後頭部をうしろに突き出すイメージで後ろ側に倒しましょう。これだけでも鎖骨のほうの胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)が伸びてストレッチになります。こちらも10秒から15秒くらいかけてゆっくりおこないましょう。
呼吸も楽になり、有酸素状態がつくられてリラックス状態になります。イスに座ったままでできるので、仕事の合間におこなえるストレッチとしておすすめです。
ストレッチその3:全身のストレッチ
最後に紹介するのは、全身のストレッチです。
よつんばいになり、両手をおもいっきり前に伸ばし、おしりをうしろに突き出すイメージのポーズをとりましょう。こうすることで肩甲骨(けんこうこつ)の外側が伸ばされます。例えるなら、ネコが伸びをしているポーズに近いかもしれません。
背中の血液の流れがよくなり、同時に肩甲骨(けんこうこつ)のストレッチになります。首コリだけではなく、猫背や腰にも効果的なストレッチです。
よく首が痛い場合は首を、肩が痛い場合は肩をピンポイントで処置すれば解決すると思われがちですが、そのときは痛みが引いた気がしても、根本的な解決にはならないことが多いです。なぜなら全身はつながっているから。これは首以外のほかの部位に対しても言えることですが、からだ全体がほぐれていないと、首の症状も改善されません。
今回紹介したのはあくまで方法のひとつですが、首コリ解消のお役に立てるとうれしいです。
監修:白鳥環(しらとりたまき)
セラピスト、マッサージ師、指圧師、BFR(加圧)トレーナーのほか、アスリートのメディカルトレーナーや専属セラピストも務める。2021年から自身も中途視覚障害となる。
2014年から13人制オージーラグビーのメディカルトレーナー、2017年から西武園競輪場、京王閣競輪場、立川競輪場専属セラピスト、2019年ラグビーワールドカップ・オールブラックスの専属セラピスト、アルゼンチン代表の臨時セラピストなどを務めた経歴を持つ。現在はフリーで施術をおこなっている。
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