正しい髪の洗いかた、知ってる?アデランスの電動シャンプーブラシ「AWANIST」開発者インタビュー正しい髪の洗いかた、知ってる?アデランスの電動シャンプーブラシ「AWANIST」開発者インタビュー
貝殻のようなフォルムに、二本の指でハサんでつかめる突起がついたデバイス。このフォルムを見て、一発で髪を洗うものだとわかる人は多くないかもしれません。
専用のシャンプーを入れて起動すると、もっちりとしたきめ細かい泡がでてきて、その泡で頭皮をつつみ込むように洗います。髪と向き合って55年のアデランスが開発した電動シャンプーブラシ「AWANIST」は、サロンでのシャンプー体験が自宅でできるというのが特徴。
2023年4月から応援購入サイトまくあけで先行販売を開始し、2023年7月31日からはアデランス公式通販サイトでも販売中。同社では、ウィッグのほかにこれまでもシャンプーやドライヤーなどを販売していますが、今回なぜ「髪を洗うための機材」に着目したのでしょうか。開発を担当したアデランスの飯野貴子さんにお話を伺いました。
爪を立てて洗うと逆効果?!アデランスのシャンプーテクニックを自宅でも
飯野さん:AWANISTは、「正しい洗いかたに導くデバイス」として開発されました。みなさんはふだん、どうやって髪を洗っているでしょうか。
たとえば、爪を立てて洗うという人も多いかもしれません。爪を立てて洗ったほうがきれいになるような気持ちになりますが、じつは爪を立てることで頭皮を傷つけてしまい、ダメージになります。皮脂のぶんぴつにつながり、結果的にかゆみやフケの原因になるほか、抜け毛の原因にも。
一方でアデランスのサロンでは“指の腹”で3分間、頭皮を揺るがすように洗っています。人が手で洗うのにかかる時間は平均50秒と言われているので、サロンでの長さは約3倍。時間をかけてしっかり丁寧に洗うことで、ブローしてもまとまりやすい髪になります。サロンでのメソッドを、自宅でも実現できるようにしたのが今回の商品です。
「正しい箸の持ちかた」は教わっても、一部の職種を除いて「正しい髪の洗いかた」を教わる機会はほとんどありません。今回はこのポイントに着目しました。
濃密な泡で頭皮をパックする、という発想
飯野さん:最近、泡タイプのボディソープやクレンジングが増えています。きめ細かい泡で汚れを優しく落とすのがメジャーになりつつありますが、頭皮も皮膚の一部。しかも顔の皮膚とひとつづきになっているので、健やかな髪のためには、頭皮も優しく丁寧に洗うほうがよいのです。
そして洗うときの泡は細かく密であればあるほど、よりたくさんの油分を吸着しやすいため、強くこすったりせずともしっかりと頭皮の汚れを落としてくれます。濃密な泡で頭皮をパックするように洗うべく、シャンプーでつくる泡のきめ細やかさには、かなりこだわりました。
開発に2年以上かけた力作
飯野さん:開発にかかった期間は2年以上。はじめは本体に搭載する機能に合わせたプログラミングなど、本体のなかの構造を優先して作っていきました。最初にあがってきた本体は、びっくりするほど大きくて、手がつりそうな重さで…。カブトムシみたいなフォルムで、予想していた見た目とかけ離れていました。
紙粘土でイメージするかたちを作り、試行錯誤を繰り返しました。そうしてようやく現在のかたちになったのが、10代目くらいです。
“質の良い泡”をつくるための専用シャンプーへのこだわり
飯野さん:本体のデザインだけではなく、シャンプーとの相性、そしてシャンプーそのもののデザインも必要でした。シャンプー屋さんに、泡のボリュームを考慮したうえできれいに泡立ち、1回でしっかり洗えるように改良してもらう必要がありました。
飯野さん:専用シャンプーは本当に泡になるのか不安になるほど、水のようにシャバシャバしています。しかしこの濃度が、きめ細かい泡をつくるのには重要。専用シャンプーを本体に入れてボタンを押すと15秒で泡ができあがりますが、泡ができるまでの時間や空気が入る量まで細かく設計しています。
空気がたくさん入ると大きい泡になるなど、泡の質も変化してしまいますし、20秒で泡をつくると、泡の密度が変わってしまいます。
じつは本体のプログラムが完成したあとに「もうあと5秒削ってほしい」と頼み込んで、15秒で泡立つようにしました。すべては頭皮の汚れをしっかりと落とす“質の良い泡”をつくるため。妥協はできませんでした。
こだわりは香りにも
飯野さん:専用シャンプーは香りによってリラックスできるように、500種類以上のなかから厳選して「竹」をイメージした香りに。トップノート重視の浅い香りではなく深部で感じる香り、リフレッシュできて、男女問わず使える香りを目指しました。
香りの選定に際しては、ちょうこうしなどをあえて使わず、自分たちの感覚を頼りに手探りで探しました。「〇〇の香り」という、名前から香りが連想できる馴染みのある香りにはしたくなくて。
そこで世代も性別も異なるチームを編成し、百貨店やホテルのロビーなど、あらゆる場所に行き「香りの採集」を行い、何度も調合を繰り返して“いい香り”を掛け合わせていきました。
竹のイメージにしたのは、育つスピードが早いことに掛けて、髪もすくすくと育つようにという意味合いも込めています。
さっそく使ってみた
その使いごこちが気になって、さっそくAWANISTを使ってみました。紙製の箱のなかには、本体、硬さの異なるブラシユニット2種類、充電台、エーシーアダプタが入っていました。そのほかに、専用シャンプーとトリートメントのセットです。
本体は貝殻のようなフォルムに、二本の指でハサんでつかめる突起がついています。ブラシユニットは本体に装着して使います。充電された本体に専用のシャンプーをいれ、ふたつあるボタンのうち、ひとつのボタンを押すと内部のシャンプーが泡になってでてきて、もうひとつのボタンを押すと本体が振動し、頭皮を刺激しながら使います。
ゴシゴシ洗いから卒業
それまでは手を使ってシャンプーをしていました。しかも爪を立てるようにゴシゴシ洗わないと汚れが落ちないような気がして、みじかい時間で思いっきり洗っていました。
そんな感じだったので、はじめて使ったときはあまりにも振動が細かくて…。
正直に言うと、あまりにも優しすぎて本当にきれいに洗えているのか不安になり、AWANISTで洗ったあとにもう一度シャンプーをしようか迷いました。
しかし使い始めて数日すると、この微細な振動が心地よく感じるように。シャンプーの香りも、甘くなく強すぎず、それでいてさわやかな香り。カジュアルにもフォーマルにも、どんなスタイルの服にも寄り添うような、と言えば伝わるでしょうか。優しくふわっと香るのがお気に入りです。
3分かけて、頭皮にアプローチするように
振動モードのボタンを押すと、3分間ブルブルと振動しつづけます。わたし自身がショートカットということもあるかもしれませんが、はじめのうちは1分くらいで洗い終えてしまい、残りの時間を持て余していました。
インタビューの際に、飯野さんからおすすめの洗いかたをレクチャーしてもらい、今は3分じっくりかけて、耳の下あたりからつむじへ向かうように、下から上へ持ち上げるようにスライドして洗っています。
健康な髪にはまず、頭皮の治安維持から
使い始めて数週間。それまではほぼ無意識におこなっていた「髪を洗う」という行為が、「頭皮をいたわる儀式」のようになってきました。気持ちの変化が髪にも影響したのか、心なしか髪にツヤがでてきたような気がします。トリートメントと合わせて使えば、さらに効果が期待できそうです。
飯野さんのお話にもありましたが、わたしも「髪の洗いかた」を教わったことがありませんでした。こんなに優しく洗ってよかったの? という発見もあり、なにより今までの髪の洗いかたを見直すいい機会になりました。
少々高いお買い物になりますが、ひとつあれば長く使えるのも魅力。そういえばインタビューの際、まくあけの先行販売のコメントに「大切な人のために使いたい」という意見も多かったそう。
正しい洗いかたに導く電動シャンプーブラシで、バスタイムの楽しみが増えました。アデランス公式通販サイトで販売中なので、お見逃しなく。
アデランス公式通販サイトURLは以下から
https://www.aderans-shop.jp/
本文ここまで