野菜の摂取が乳幼児の健康状態や認知発達に関連野菜の摂取が乳幼児の健康状態や認知発達に関連
マヨネーズなどの調味料大手、キユーピーはこのほど京都大学と大阪大学らと共同で、食事と体質・体調の関連性などを明らかにするため、全国の保育園・幼稚園などに通う乳児・幼児1336人を対象に、約2年におよぶ大規模調査を行いました。その結果、野菜の摂取が乳幼児の健康維持や認知発達と深く関連することを突き止めました。
2種類の調査票でひもとく乳幼児の食事と健康状態
乳幼児期の食事はそのごのしょくしゅうかんや嗜好に大きく影響を与えるとされています。しかし、これまで食事の内容と健康状態をひもづける科学的エビデンスはありませんでした。
そこで、キユーピーらは全国103カ所の保育園や幼稚園などに協力をあおぎ、れいさいから4歳の乳児と幼児にアンケート調査を実施しました。調査票の種類は健康・体調面、しょくしゅうかん、生活習慣に関する調査票(風邪のひきやすさ、便秘、排便習慣、睡眠リズムなど)と、認知発達に関する調査票の2種類を用意し、それぞれ回答を得ました。
野菜の摂取が「風邪」「排便」「認知発達」などに関係
調査結果を解析したところ、2種類の調査票のそれぞれについて、顕著な結果が得られました。まず、健康・体調面について、「風邪をひきやすい」「発熱しやすい」と回答した乳幼児は、そうでない乳幼児に比べて、淡色野菜やきのこ類の摂取が少ないことが分かりました。
また、「1カ月の排便頻度」について見ると、週に3回以下の排便頻度の低い乳幼児は、野菜の摂取が少ないこともわかりました。
続いて認知発達について、3から4歳時点で認知発達にリスクを抱えると評価された幼児は、リスクが小さいと評価された幼児に比べて、りょくおうしょくやさいの摂取頻度が低い傾向が見られました。
これら心身の健康に関わる結果は全て「野菜」の摂取との関連が見られるにも関わらず、しょくしゅうかんの傾向として、離乳食が終わる頃(18から35カ月)から、野菜を摂取したがらない幼児が顕著に増加していることも明らかになりました。
ちょうないさいきんそうを可視化
今回の大規模調査では、アンケート調査のほかに、母子1400組以上のさいべんも実施しました。さいべんの目的は、乳幼児とその母親双方のちょうないさいきんそうを可視化するためです。
さいきんそうの解析などを手掛けるサイキンソーと京都大学が主体となって、母子のちょうないさいきんそうのデータベース構築を図りました。ちょうないさいきんそうと心身の健康状態の関連が明らかになれば、ヘルスケアの分野でさまざまな可能性が切り開かれることになります。
キユーピーは「育児食のみならず、将来的には大人向けの商品開発にもいかせるよう、関係機関・企業と連携して、食事と健康状態・ちょうないさいきんそうとの関係について、さらなる研究を進めていきたい」と意欲を燃やしています。
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