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ほうじ茶の香りに「鎮静効果」

湯呑みに注がれたほうじ茶

 

ほうじ茶の香りに「鎮静効果」があることが飲料大手の伊藤園がこのほどおこなった研究で明らかになりました。

ほうじ茶の香りとその香気成分であるピラジン類が、自律神経活動に影響を及ぼし、交感神経の抑制と副交感神経を活発化する作用があることを確認したといいます。

また、脳活動の指標である酸素化ヘモグロビン量が減少し、脳血流(のうけつりゅう)の低下も確認され、ほうじ茶の香りに鎮静効果があることが示されたとしています。

こうした効果はアンケート評価による主観的な気分の状態でも確認されており、同社では「ほうじ茶の香りがストレスや緊張の緩和に有効である可能性が示唆された」と話しています。

 

ピラジン類とフラノン類

 

ほうじ茶とは一般的に煎茶や番茶、茎茶を焙煎(ばいせん)して香ばしさを引き出したお茶のことです。焙(ほう)じる過程で様々な香気成分が生成されるのが特徴です。

ほうじ茶の香り成分には、香(こう)ばしい香りを特徴とするピラジン類や甘い香りを有するフラノン類などが含まれています。

一方で、ピラジン類の機能性に関する研究では血管弛緩反応やリラックス効果などが報告されています。

しかし、ほうじ茶の香りの機能性に関する報告は少ししかありませんでした。

そこで今回の研究では、ほうじ茶の香りが生体内に及ぼす影響について調査し、生理的・心理的な作用についてその機能性を明らかにしました。

 

「緊張感」「不安感」が減少

 

研究では被験者である健康な成人20人にほうじ茶の抽出液とその主な香気成分が自律神経活動や中枢神経活動、主観的な気分に与える影響を検証しました。

白湯とほうじ茶の香りを2分間嗅いだあとの主観的な気分の状態の変化を評価したところ、空気と比較して白湯とほうじ茶の香りを嗅いだ後では、ともに「緊張感」、「不安感」のスコアが減少したといいます。

また、ほうじ茶の香りのみ、「気分」、「心地よさ」、「眠気」のスコアの増加が認められたとしています。

ほうじ茶の香りを嗅ぐことにより、心理的な面でも鎮静的な効果があることがわかりました。

 

中枢神経系でも効果

 

白湯とほうじ茶の香りを嗅いでいるあいだの脳血流(のうけつりゅう)の変化を測定したところ、空気と比べて白湯とほうじ茶の香りを嗅いでいるあいだでは、ともに脳の前の方にある前頭前野部(ぜんとうぜんやぶ)の酸素化ヘモグロビン量が減少したとしています。

また、白湯とほうじ茶の香りを比較すると、ほうじ茶の方がより多くの測定部位で酸素化ヘモグロビン量が低くなることがわかりました。

これらの結果から、同社では「ほうじ茶の香りを嗅ぐことで、前頭前野部(ぜんとうぜんやぶ)の脳血流(のうけつりゅう)の低下が確認され、中枢神経系の側面からも鎮静効果があることを確認した」と指摘しています。

 

 

本文ここまで

 

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