海水から塩を取り出してみた海水から塩を取り出してみた
さかのぼること、今から数年前。
ひょんなことから千葉県に海水を汲みに行ったことがきっかけでした。2リットルのペットボトルいっぱいの千葉の海水。なにかに使えないかなぁと思って、そのまま持っていました。
そうだ、塩をとりだそう
それからしばらくして、島めぐりにハマっていたときのこと。友人からおすすめされた「小笠原の塩」をお土産に買いました。
塩なんてどれも同じだと思っていましたが、ひとくちなめてみてビックリ。しょっぱさのなかにほんのり甘みのある、不思議な塩でした。しかもパッケージをよく見ると「海水を直接煮詰めて」と書いてありました。海水って…
そんなわけで、千葉の海水を煮詰めて塩をとりだすことにしました。検索したら、海水から塩をとりだす方法が詳しく書かれたページも発見。これで準備万端です。
準備するもの
準備するのは、海水(2リットル)、 コーヒー用ハンドドリッパー、コーヒーフィルター、フライパン、かき混ぜるヘラ、タイマー。
重さをはかる
まず、準備運動として海水の計量をします。クッキングスケールにのせたのですが、おもすぎてエラーになりました。
しかたがないので本来の使いかたではないけれど、人間用のはかりで再チャレンジしました。ペットボトルの重さを含めて2.2キログラムでした。
海水をろ過する
準備運動に意外と時間がかかりましたが、ここからが本番です。まずは海水に含まれるゴミを取り除くため、コーヒーフィルターでろ過します。ずぼらな私は半分にカットしたペットボトルの下半分のうえにコーヒードリッパーをのせ、コーヒーフィルターをのせて海水をいれ、ろ過していきました。
煮詰める
面積が広いほうが早く煮詰まるような気がして、鍋ではなくやや高さのあるフライパンにしました。ですがやっぱり一度に2リットルの海水は入れられません。海水を煮詰めて、かさが減ったら残りの海水をつぎたすことを数回繰り返しました。どれくらい時間がかかるんだろうと思ってタイマーで時間を計っていたのですが、このタイマーの最大計測時間は99分まででした。
ちゅうびでにじかん以上ずっと煮詰めて、やっとかさが減りました。ここでいったん火をとめます。
石膏(せっこう)分をろ過する
すこし冷ましたら、もう一度ろ過します。さきほどのコーヒードリッパーとコーヒーフィルターの登場です。
ここで重さを測ってみると395グラム。だいぶ減りました。
ふたたび煮詰める
さて、ここからがラストスパートです。
そういえば2020年のゴールデンウィークは友人とオンラインで牛乳をひたすら煮詰めて平安スイーツの「蘇」をつくっていました。
しかも、会うわけにいかないので、友だちとわたし、それぞれの自宅で制作開始の時間を合わせ、途中経過をチャットで報告しながら半日かけてつくりました。つくっている途中、BGMでシャッフル再生していたらピンクの「So What」が流れてきたのですが、サビの「So What」の「So」が「蘇」って聞こえて…狂気じみていたのも今となってはいい思い出です。
そんなことを考えていると、ついに塩の結晶ができてきました。ここからは弱火にします。煮詰めすぎると苦味が出るらしいのと、煮詰まった海水がはねて危険なので、少し水分は残したままのほうがいいそうです。
お皿にのせて計量してみると、92.5グラムありました。
参考にしたページによると、2リットルの海水から50グラム程度と書いてあったので、かなりたっぷりできたと思います。
試食
よじかんくらいかけて、ついにできた塩。できたてほやほやの塩の味見をすると…ん、んんん…しょっぱい!! しょっぱいをこえて、もはや塩辛いのほうが近いかも。「小笠原の塩」がいかに繊細でおいしいかがよくわかりました。大切に使おうと思います。
小学校のとき以来の塩づくりでした。まさか20年以上たって再び塩をつくることになるとは思いませんでした。海の水さえ手に入れば、やることはシンプルなのでお子さまの夏休みの自由研究にもぴったりだと思います。お時間ある人はぜひ。
参考にしたウェブサイト「公益財団法人塩事業センター」のURLは以下から
https://www.shiojigyo.com/siohyakka/experiment/exp12.html
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