北海道・美唄のローカルフード「とりめし」北海道・美唄のローカルフード「とりめし」
旅先ではローカルフードを探すのが好き。お土産屋さんもいいけれど、その地域の人になったような気分になれるのがローカルフードのいいところだと思います。
北海道・美唄(びばい)へ
そんなわけで今回は北海道の美唄(びばい)というエリアに行きました。
静かで広い駅前には、背の高い建物がほとんどありません。駅に降り立つと、そこにはドラマに登場しそうなローカルな風景が広がっていました。
いまは10月なのでそこまで寒くはないのですが、あともう少ししたらこの地らしい寒さがやってくるのでしょう。美しい唄と書くだけあって、ここで歌を歌ったらどこまでも届いていきそうです。
駅前のカフェでランチをしていたら、さっそくローカルフードを見つけました。
それが美唄発祥の地元グルメ「とりめし」。お弁当として持ち帰りもできるそうなのでさっそく注文しました。
茶色は正義だ
紙製の箱のフタをあけると、さきほど駅をおりてみえた景色のように、さえぎることなくどこまでも広がるとりめし。どうもわたしにはこのとりめしの潔いまでのシンプルさと素朴な感じが、この静かで美しい美唄の風景とかさなって見えたのでした。ビルに囲まれて過ごすのに慣れてしまったからか、どこか落ち着く景色でした。
そしてほんのりつやつやしたおこめの粒。どこまでも広がる茶色。これがいい。茶色いものはおいしいというわたしのなかの定説によると、なかなかいい線をいっています。
ただでさえ茶色いのに、食べ進めるとおこげのような味の濃い部分がちょいちょい出てくることに驚きました。そうそう、これ。わかっていらっしゃる。この部分がおいしいんです。こまかすぎて伝わる人がどれだけいるかわからないけれど、これはポイントが高い。
ひと口食べると、しょっぱすぎず、とり肉の出汁のおかげで見た目ほど味は濃くないので食べやすい。
お米、お米、お米、おこげ、お米、時々とり肉。このお弁当のなかでとり肉の遭遇頻度をテキストで表すとしたらこれくらいかもしれません。
そして最後のお宝のごとく現れた、真っ赤なショウガ。これをいつ食べるか毎回迷うのだけど、食べると塩気ブーストがかかります。塩気をエンジンに、ラストスパートへ!
開拓時代のもてなし料理
あとから調べてみたら、「とりめし」はこの地に伝わる郷土の味で、とり肉と内臓を濃い目の醤油で味付けした炊き込みごはん。開拓時代の最高のもてなし料理だったそう。
単調なはずなのに、一気に完食してしまったのは、きっとこの味付けのおかげでしょう。これ、おにぎりにしたらきっとおいしいんだろうな。もうひとつ買えばよかった…。この素朴さが最高です。
駅前の写真を除いてひたすら茶色い写真が続いてしまいましたが、また食べたい味に出会えました。ごちそうさまでした!
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